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データドリブン選挙: アメリカ大統領選挙まとめ

アメリカの大統領選挙が終わりました。僕の会社の人が「あ、今日は選挙だ」って言ったんだけど、みなさんは同じようにあまり詳細が分かってないような感じだと思いますが、僕が思ったことと、面白いと思ったことをまとめようかなと思いました。ま、実はFumi さんのブログの オバマ再選メモ が素晴らしくて、読んだら間違いないんだけど、この纏め + α 書いてみようと思います。まずは、Fumiさんの纏めをお読みください。

まずは、背景

候補者

アメリカの選挙はそもそも、誰が出馬するの? アメリカは二大政党制だと聞いているのに、オバマさんとロムニーさん以外の候補も聞いているけど、それはなんだろう?って思っている人いるかもしれません。実は、アメリカは二大政党制ではありますが、公式上に認めてない他に独立の政党があります。独立(Independent)と第三者(Third-party)候補者と言います。実は独自と第三者の候補者がかなり数多いです。すべての候補者のリストは Wikipedia で見れます。

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独自と第三者の候補者は数多いのですが、投票用紙に載る候補は州がそれぞれ決まるので、二大政党以外はすべての州の投票用紙に乗れないので、選出する可能性はほぼゼロです。大統領選挙に出馬するのがほぼ講義の方向性や、ある問題をアメリカの国民に知らせる為と考えれば良い。

選出ルール

大統領選挙は直接選挙ではなく、Electoral College というものが大統領を選出する。州ごとに勝つ候補者が認められ、その州の Electoral College の投票がすべてその候補者が頂く。例えば、フロリダー州の投票は 51% オバマで、49% ロムニーだとしても、フロリダー州の投票はすべてオバマさんのものになる。何でこういうシステムになっているかといいますと、少数民族を守るのと、小さい州の有力を高めるだめでした。すごく歴史のあることなんですが、この制度を変更するには、憲法を改正しないといけないので、変わる可能性がかなり低い。

Google Politics and Elections などの選挙情報まとめサイトが、赤い州と青い州を表示しているのが、ロムニーさんとオバマさんがそれぞれ Electoral College の投票を引き取った表になるわけです。

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そして、アメリカは、州によってどの政党が勝つのが大体決まっている場合があります。決まってない、どの候補者が勝ってももおかしくない州は Swing State と言います。Swing State 以外は決まっているので、ほぼ Swing State で選挙が決まる。

誰が選出するって事前にわかった?

ま、事前に分かったわけがないのですが、可能性としてはわかりました。マスコミでは、どっちも勝つ可能性が同じように聞かれますが、実際にはそういうわけではない。

参考: Triumph of the Nerds: Nate Silver Wins in 50 States

世論調査や、色な情報を使って、統計で候補者の選出可能性を出した、New York Times の Nate Silver が完璧に選挙の結果を推定しました。

ま、それだけじゃ、完璧に推定した人は数人いたんですが、 Nate Silver さんは大統領の選挙を完璧に推定しただけでなく、国会の上院、衆議院も完璧に推定し、知事の選挙を一つだけ間違えたという素晴らしすぎる推定力でした。

ま、統計学者じゃなきゃわからないよねって思うとそうでもないですね。 New York Times: Paths to the White House というアプリを少しいじれば、州ごとの結果はわからないけど、このシミュレーションで、選挙の結果は自分でも大体わかると思います。

このアプリは、Swing State でロムニーさんかオバマさんかどっちが勝ったら、こうなるって決定経路を表しています。表の上に州が大きい順で並んでいます。オバマさんかロムニーさんのボタンを押したら、その人が勝ったような状況を確定して、表がかわります。そもそもオバマさんが勝つパスが 431 ケースがあって、ロムニーサンが勝つケースは 76 あるってこれだけで、オバマさんが有利ってわかります。

Swing State の中、Florida と Ohio が一番でかい。ロムニーさんはそもそも Florida と Ohio を両方勝ってないと、平等にならないのが現実だった。North Carolina はロムニーさんがほぼ確実に勝つので、それはいいんですが、ロムニーさんは Florida, Ohio, North Carolinaで勝ったとしても、オバマさんはその後の Virgina 州で勝ったら、大体平等的な状況に戻る。つまり、ロムニーさんは選出のために Florida と Ohio はマストです。オバマさんは負けたらいたいんけど、確実にアウトではないという状況でした。

つまり、ロムニーさんは最初からもっと厳しい目に見られたはずです。

政治評論家はいらない?

マスコミの政治評論家は選挙の前にいろいろ言っていましたが、それぞれの政治評論家は保守派なのか、リベラルなのか、そういう偏り(bias)がある。そして、この選挙では、評論家の推定を結果と合っていたかチェックすると、ほぼみんな間違えていたっていうのがわかりました。

参考: It’s Time to Grade Pundit Predictions

参考: Slate’s Pundit Scorecard

その人たちは状況を見て誰が選出するかより、誰が選出して欲しいということを言っているだけ。選挙の解析には他にいい方法あれば、政治評論家がいらないんじゃないか?っていう議論も上がっています。

参考: Pundit Forecasts All Wrong, Silver Perfectly Right. Is Punditry Dead?

僕は、政治評論家は少なくとも、しばらくなくならないと思います。なぜなら、統計で科学的なことは、一般の国民はよく分かってないし、エンタテインメントとして、受ける人はいるんじゃないかと思います。

色なデータの可視化

今年の選挙は、結果のデータが簡単に頂けるので、ネット上で色な面白いビジュアライゼーションが出来上がり、結構盛り上がりました。

例えば、 What The 2012 Election Would Have Looked Like Without Universal Suffrage ですと、1850年のアメリカだと今年の選挙はこういう結果になったでしょう。1850年では、白人の男性しか投票できなかった。女性や、少数民族の重要性を伝えるビジュアライゼーション。男性だけの場合とか、白人(男女)だけだとか、いろな地図が見れるので、是非見てみてください。

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普通の地図だと、アメリカの面積がみれるだけで、ある場所の人口が見えない。郡(County)の地図を見ると、非常に赤い。これだけじゃ、選挙の結果がちゃんと見えるかされてない。

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それで、 Michigan大学の Mark Newman教授が、 Maps of the 2012 US presidential election results という地図編を作りました。青と赤の間の色で選挙の結果を表して、そして、人口が多い場所を大きくして、少ないところを小さくするようなビジュアライゼーションを作りました。これで、オバマさんに投票した人たちは、都市圏に集中していて、ロムニーさんに投票した人たちは、あまり集中する場所がなく、田舎に幅広く拡散されているという全体的な状況がわかる。

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他に州単位とか、人口ではなく、Electoral College の投票を使った地図とかもあるので、是非見てみてください。

まとめ

僕は、この選挙は最初から結果が大体わかったんじゃないかなと思いました。でも、分かっていたのは、統計、数学、統計、ビッグデータのおかげでした。これからの選挙などいろなところにデータを使って、現実をより正しく知るのが大事だとよく感じていました。アメリカ、そして世界の発展を楽しみに見ています。